株式会社明治はブルガリアヨーグルトやR-1ヨーグルトなど、様々な商品を販売しています。
ブルガリアヨーグルトとR-1ヨーグルトは原材料表記が同一であるものの、含まれる乳酸菌の種類が異なります。
今回はブルガリアヨーグルトの魅力やR-1ヨーグルトとの違い、R-1ヨーグルトに配合されている乳酸菌の効果などを解説していきます。
ブルガリアヨーグルトとR-1ヨーグルトの違いについて、興味がある方は参考になさってください。
ブルガリアヨーグルトにはどんな魅力がある?
ブルガリアヨーグルトは株式会社明治が販売している商品の一つです。
1971年に明治プレーンヨーグルトとして販売したのが、明治ブルガリアヨーグルトの始まりとなります。
当商品の販売開始時には、ブルガリアから国名の使用許可を得られておらず、商品名にブルガリアという表記がありませんでした。
明治ブルガリアヨーグルトとして販売が開始されるのは1973年です。
当記事作成時点で50年の歴史があり、くちどけ芳醇発酵と呼ばれる新製法を用いており、口どけの良い味わいが魅力となっています。
ブルガリアヨーグルトの成分
明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーンの原材料は以下の通りです。
【明治ブルガリアヨーグルト 成分】
①生乳(国産)
②乳製品
【参考サイト:株式会社明治 明治ブルガリアヨーグルト倶楽部、明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン400g】
生乳は加工していない搾り取った牛の乳であり、乳製品は以下の材料が該当します。
【乳製品一覧】
※参考サイトをもとに筆者が表を作成
【参考サイト:e-GOV 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令、第二条13】
明治ブルガリアヨーグルトに使用されている乳製品の詳細は、株式会社明治よりアナウンスがないため確認できませんでした。
なお当該商品には2種類の乳酸菌が含まれています。
ブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株で、明治ブルガリアヨーグルトLB81という名称は両乳酸菌より決められました。
LBはLactic Acid Bacteria(乳酸菌の英訳)の頭文字であり、81はブルガリア菌・サーモフィラス菌の末尾番号です。
ブルガリア菌・サーモフィラス菌を混ぜて使用すると、相乗効果で乳酸を多く生成できるようになり、短い時間でおいしいヨーグルトが作り出せます。
【参考サイト:株式会社明治 明治ヨーグルト倶楽部、明治ブルガリアヨーグルトが使用している乳酸菌】
ヨーグルトのメリット
ヨーグルトのメリットの1つ目は腸を整える作用です。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は善玉菌の一種であり、腸の中で有害な菌を抑制します。
善玉菌は乳酸や酢酸を作り出す性質があり、その結果腸内が酸性化し、悪玉菌の活動が抑えられるのです。
善玉菌は腸内で長期間滞在することがないとされているため、乳酸菌を含む食事を定期的に摂取することが望まれます。
2つ目のメリットは免疫を高める効果です。
腸内で悪玉菌が優勢になると、免疫細胞が正常に働かなくなります。
免疫に関する細胞のうち、腸内に存在するものは6割以上であり、このことからも腸内環境が免疫を左右するのが確認できます。
またヨーグルトに含まれるカルシウムが、大腸ガンの予防効果があるのではないかと着目されています。
大腸ガンの要因の一つである、二次胆汁酸をカルシウムが吸収し、大腸ガンのリスクを軽減するのではないかと予想されているのです。
二次胆汁酸は胆汁より変化した物質であり、胆汁は脂肪を多く摂ると腸の中に排出されます。
3つ目のメリットは血糖値の低下です。
そもそも血糖値は食事を摂ると原則的に上昇しますが、乳酸は食べた物を小腸にゆっくりと移動させる効果を有しており、その結果糖の吸収を緩やかにさせます。
ヨーグルトを食前に食べることによって、血糖の抑制をより効果的に活用できるでしょう。
【参考サイト:たまプラーザ南口胃腸内科クリニック ヨーグルトの魅力を最大限に引き出す効果的な食べ方とは】
ヨーグルトのデメリット
つづいてデメリットを解説していきます。
1つ目のデメリットは糖質が過剰になるリスクがあることです。
商品によっては糖質が多く含まれているヨーグルトが流通しており、これらを積極的に食べすぎると糖質が過剰になってしまうかもしれません。
低糖・低脂質のヨーグルトを選ぶことによって、糖質の過剰摂取のリスクを軽減できます。
2つ目は発がん性物質の増加リスクです。
前の項目で脂質を摂りすぎると、大腸ガンのリスクの要因となる可能性について紹介しました。
ヨーグルトには乳酸菌のほか、脂質も含まれており、摂り過ぎは発がん性物質の増加につながりかねません。
1日200mlを目安にヨーグルトを摂取しましょう。
3つ目のデメリットはお腹を壊しやすくなることです。
乳製品を摂取するとお腹を壊してしまうというケースが見られますが、この原因は乳糖不耐症の可能性があります。
乳糖不耐症の方は乳糖を分解する酵素ラクターゼが少ないため、分解できなかった乳糖が小腸内の水分を誘引して、お腹を壊してしまうのです。
乳糖は乳製品に含まれる物質であり、ヨーグルトにも存在します。
ラクターゼが活性化する温度は体温に近いため、ヨーグルトを人肌程度に温めることによって、お腹を壊してしまう可能性を減らせます。
【参考サイト:たまプラーザ南口胃腸内科クリニック ヨーグルトの魅力を最大限に引き出す効果的な食べ方とは】
R-1ヨーグルトは何が違うの?
R-1ヨーグルトと明治ブルガリアヨーグルトの違いは含まれる乳酸菌です。
R-1ヨーグルトには1073R-1乳酸菌が配合されています。
R-1ヨーグルトという名称はこの乳酸菌に由来してつけられました。
前の項目で紹介したように、明治ブルガリアヨーグルトにはブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株が含まれています。
基本的な原材料は明治ブルガリアヨーグルトと同様で、生乳(国産)と乳製品です。
【参考サイト:株式会社明治 R-1商品ナインナップ、明治プロビオヨーグルトR-1プレーン(336g)】
秘密は乳酸菌!
株式会社明治は2014年以降、フランスに位置するパスツール研究所と1073R-1乳酸菌の共同研究を行ってきました。
パスツール研究所は生物学・医学の研究を行っているセンター機関です。
共同研究を重ねてきた実績とは?
共同研究にて、乳酸菌OLL1073R-1株(1073R-1乳酸菌)が生産する物質が、T細胞の働きを促すことが確認されました。
T細胞とは免疫細胞の一種であり、乳酸菌OLL1073R-1株によってインターフェロンγ(ガンマ)の分泌を促進したことが要因として考えられます。
インターフェロンγは腫瘍や病原体の排除を行う上で、重要な効果を発揮するとされているホルモン物質です。
実験方法は2種類のマウスを用意し、一方には乳酸菌OLL1073R-1株が作り出した成分を、もう片方には蒸留水を投与しました。
その結果、乳酸菌OLL1073R-1株を与えたマウスの方が、腸管にあるT細胞内のインターフェロンγを作り出す細胞の割合が、有意に高いことが確認されたのです。
【参考サイト:株式会社明治 2018年プレスリリース、仏パスツール研究所との共同研究を拡大 乳酸菌OLL1073R-1株、NK細胞に加え、広範な免疫賦活能を示唆〜免疫の活性化に関わるホルモン様分子であるインターフェロンγの分泌をさまざまなT細胞で促進〜】
これからの研究に期待
前の項目で紹介したように、乳酸菌OLL1073R-1株がT細胞に作用していることが判明しました。
T細胞は獲得免疫にかかわる細胞であり、乳酸菌OLL1073R-1株は自然免疫に係わるNK細胞にもその働きを活発にする効果が確認されています。
乳酸菌OLL1073R-1株が免疫を構成する、自然免疫と獲得免疫の両方に影響をもたらしていることから、風邪の罹患リスクの軽減効果に寄与するのではないかと期待されています。
また唾液に含まれる抗菌・抗ウイルス活性を有している、物質の分泌促進作用も期待されており、様々な健康に影響する要素を有しているのではないかと考えられているのです。
【参考サイト:株式会社明治 2018年プレスリリース、仏パスツール研究所との共同研究を拡大 乳酸菌OLL1073R-1株、NK細胞に加え、広範な免疫賦活能を示唆〜免疫の活性化に関わるホルモン様分子であるインターフェロンγの分泌をさまざまなT細胞で促進〜】
まとめ
株式会社明治が販売しているブルガリアヨーグルトの魅力やR-1ヨーグルトとの違い、R-1ヨーグルトに含まれる乳酸菌の効果などを解説してきました。
明治ブルガリアヨーグルトとR-1ヨーグルトの違いについて、理解を深められたのではないでしょうか。
R-1ヨーグルトってブルガリアヨーグルトと何が違うの?をまとめると
・R-1ヨーグルトとブルガリアヨーグルトの違いは、含まれる乳酸菌の種類である。ブルガリアヨーグルトにはブルガリア菌とサーモフィラス菌が配合されている
・R-1ヨーグルトには1073R-1乳酸菌が含まれており、獲得免疫の働きを有しているT細胞の活性を向上させる効果がある
・今後1073R-1乳酸菌には風邪の罹患リスク軽減や、唾液中の抗菌・抗ウイルス活性を有している物質の分泌促進効果が期待されている
ということがあります。
明治ブルガリアヨーグルト・R-1ヨーグルトは私たちの体に有用な効果をもたらす一方で、摂取しすぎると逆に健康を損なう可能性があります。
また甘味料入りのヨーグルトには糖質の過剰摂取のリスクがあるため、商品選びにも気を配りたいところです。
摂り過ぎには注意しつつ、明治ブルガリアヨーグルトやR-1ヨーグルトを日々の介護に活用していきましょう。